災害時に大切なことは?
以前、私は全国勤務の仕事をしていました。2009年に東北地方に配属され、4年ほど住んでいました。
つまり、東日本大震災を経験したのです。
当時はまだ結婚しておらず、1人暮らしでした。だからこそ困った事もあったのですが、現状と比較すると子供がいる方が圧倒的に大変です。
そこで、家を建てる際は災害にも強い家にしたいという考えがありました。
災害時に大切なことは『いつもと同じ暮らしを継続する』ことです。普段の生活ほど安心できるものはありません。
いつもと同じ暮らしに必要なモノとは?
いつも通りに暮らすためには何が必要でしょうか?
当たり前すぎて意識することがないのですが、被災経験から以下の3つがあげられます。
いわゆるライフラインです。この3つは欠かすことができません。
東日本大震災のとき、私の居住エリアは水道が止まりました。幸いにも電気はきていたので、凍えることはありませんでした。また、ガスはプロパンだったので問題ありませんでした。(仙台市街地は都市ガスだったので復旧に1~2週間もかかったとのこと)
しかし、電気とガスがあっても水がなければほとんどの調理ができません。あらかじめ備えていれば話は別ですが、独り身の若造だったので全く準備はしていませんでした。
カップ麺すら食べられないのです。コンビニやスーパーにも行ってみましたが、ほとんどの商品が買い占められており、酒とお茶くらいしか残っていませんでした。
お茶は水分補給にはなるのですが、カフェインがきつすぎました。お茶だけでの水分補給は不可能です。
食事がとれないのは肉体的苦痛ですが、水がないと精神的な苦痛も味わいます。
体を清潔に保つ事ができないのです。当時はまだ27歳くらいでした。代謝も活発で、頭は整髪料をつけたままでベトベトにテカってきました。
体中もベトベトしますし、脇や股は痒くなります。歯を磨くこともできません。
また、トイレを流す事もできません。そのため、便器は不衛生極まりない状態となり、部屋には悪臭が漏れてきます。
水道が復旧した際に真っ先に向かったのは風呂場でした。あの時に浴びたシャワーは今でも忘れられません。
水道が3日間止まっただけで、これだけの問題が発生します。電気、ガスも失ったらどうなってしまうのでしょうか?想像しただけでも恐ろしいです。
このような経験から、家を建てる際は災害に強い家を作ろうと考えるのでした。
水を確保するには
私が経験したのは断水です。電気、ガスが止まっても大変でしょうが、とりあえずは自分の経験を優先してみることにしました。
水道から水が出なくなってしまったらどうするか?他に水を確保しておくしかありません。(裏ワザとして被災直後なら水が出ます。水道管に残っている分の水です。)私は以下の方法で水を確保する事にしました。
水は飲料用と生活用と2種類用意する必要があります。
ペットボトルを買いだめしておく
最優先は飲料水です。
我が家はまだマンション暮らしなのですが、2リットルのペットボトルを20本買いだめしてあります。家族4人分なので1人頭5本となります。子供は2歳と4歳なので必要量は少なく、現段階では十分量確保できています。
しかし、水の保管は場所をとります。マンションは狭いので災害用品を置く場所がないのです。現在建築中の一条工務店ではパントリー、押入れ、納戸と収納をたくさん確保しました。災害対策をより充実させることができると考えています。
雨水貯留タンクを設置する
タンクを設置するだけで、勝手に雨水が貯まるシステムです。オプションにはなりますが、一条工務店では120リットルのものが31,000円で設置できます。1度設置してしまえば半永久的に使用することができます。
この水はトイレを流したり、清掃に用いる事ができます。災害時に衛生環境を保つ事は非常に重要です。
エコキュートを設置する
エコキュートは電気料金の安い夜間に熱湯を貯めておいて、日中は水で薄めながら使用するものです。一条工務店では370リットルのサイズを標準装備で設置してもらえます。
しかし、災害時にも役に立つ代物なのです。家の外に設置されていますが、直接熱湯を取り出すことも出来るのです。
熱湯なので管理は手間ですが、料理に使用したり、体を拭いたりと様々な用途に用いる事が可能です。
助成金を申請する
行政は低エネルギーな暮らしを推進しており、様々な助成金を用意しています。その時のタイミングにより違うのですが、住んでいる市町村や県のホームページを確認してみましょう。
私の場合、残念なことにエコキュートの助成は前年度で終わってしまいましたが、雨水タンクの助成はまだ残っていました。
助成を受ける条件は以下の通りでした。
- 市町村内に住所があること
- 自己の家庭用に設置すること
- 80リットル以上
- 住民税の滞納がないこと
さほど難しくないです。
助成金額は半額なので15,500円となります。タンク設置後に申請して、市職員の立ち会いなど面倒な点もありますが、日給15,500と考えると結構メリットはあります。
家族を守る命の水。しっかりと確保しましょう。