住宅購入の資金計画
マイホームは人生の中で1番大きな買い物です。その資金計画をしっかり立てる事は、その後の生活基盤を安定させる事に繋がります。
家を建てるためにはどのようなお金がどのような時期に発生するのか、考えておかなければなりません。
住宅購入は一生に1度の方がほとんどです。経験がないため、予測できない費用も発生してきます。自分が把握している費用より、多めの資金を準備しておいた方が安心です。
我が家は一条工務店のi-smartⅡを建てます。2018年1月に引渡し予定です。実体験をふまえ、まずは契約から引渡しまでの資金計画を紹介します。
マイホームにかかる費用
マイホームにかかる費用は予想よりも多く、完全に把握するのは困難でした。必ず、余裕資金を準備しておく必要があります。
かなりのボリュームになるため以下の4つに分けます。
- 建物本体
- 外回り
- 申請
- ★車★
上記4つに対する具体的な項目を以下1~22とします。
- 建物本体
- 建築申請・その他業務
- 付帯・排水工事
- 標準仕様外工事
- 太陽光発電システム
- 東電売電設備
- 解体工事
- 外構工事
- インテリア
- 火災保険
- テレビアンテナ工事
- 引越し
- 水道工事
- 水道加入金
- 残土処分
- 地盤調査
- 契約書印紙
- つなぎ融資利息
- 登記
- 諸官庁手続き
- 設計報酬
- ★車★
今回は★車★について紹介していきます。
22.車(350万円)
現在は電車と送迎バスにて通勤していますが、建築予定地からは車通勤となります。そのため、新居引越し前に車の購入が必要でした。
最初のうちは全く頭の中になく、気が付いた時は焦りましたね。300万円の調整はかなり難しいです。危ないところでした。
基本的には理系の考え方なので、物事を進めるときは理詰めです。しかし、プライスレスを考えたとき、やはり感情が表に出てきてしまうのです。
私にとってのプライスレスは長男4歳、次男1歳、祖母90歳との過ごし方です。
車は最後まで乗り潰す考えです。世間一般で言われてる車の寿命を10年間とすると、長男14歳、次男11歳、祖母100歳まで乗ることになります。
この3人が一緒に健康的に過ごせる時間は残り少ないと考えています。この10年がとても大切なのは一目瞭然です。
そこを考慮するとミニバンのほうが絶対にいいのはわかるのですが、価格が高すぎました。頭金を580万円払ったあとの、車代約400万円はなかなか厳しいです。ミニバンは300万円を見積もっていたのですが、甘かったです。
悩みに悩んで出した結論を紹介します。
車に必要な条件
以下は車に必要な条件です。
- 7人以上乗れる
- 300万円以内にする
- 2017年1月までに納車
家族は4人なのですが、実家の両親と祖母を含めると7人になります。実家の2軒隣に家を建てるので、一緒に行動する機会は増えるはずです。そのため、7人は乗れる車が必要だと考えています。
予算は300万円を見積もっていました。これは10年前に日産ノートを購入した経験からでした。当時はコミコミで150万円ほどで購入できたため、倍を見積もっておけば大丈夫だろうと考えていたのです。
ところがミニバンがこれほど高いとは誤算でした。セレナのおすすめグレードでナビや安全性能をつけると430万円になってしまいました。エスクァイアでも420万円でした。
引越しと同時に車通勤が始まるので、納車のデッドラインは2017年1月となります。
ミニバン vs コンパクトミニバン
ミニバンとコンパクトミニバンの両方を試乗しましたが、後部座席の快適度は圧倒的にミニバンでした。やはり、広さの部分でコンパクトミニバンに勝ち目はありません。コンパクトミニバンのサードシートは、身長150cmの妻がなんとか座れるレベルです。
私は身長172cm、体重63kgですが、コンパクトミニバンのサードシートの座ると膝がセカンドシートにぶつかってしまい、窮屈でした。
コンパクトミニバンでサードシートまで使うときは運転席・助手席、セカンドシートを少しずつ前にずらし、みんなで少しずつ窮屈な思いをしないと、まともには座れません。
さらに、エアコンがフロントにしかないので、サードシートの空調管理がイマイチでした。
サードシートは緊急時や近場の食事くらいにしか利用できないと感じました。
しかし、冷静に考えると車の利用の大半は通勤です。1人で乗る車なのです。乗車割合を概算で計算すると以下のようになります。
- 1人乗車70%
- 4人乗車27%
- 7人乗車3%
これを踏まえると、初期費用が安く、低燃費、ランニングコストも安いコンパクトミニバンの強みが出てきます。
また、勤務地周辺は道が非常に狭く、ミニバンが乗りにくいとう点もあります。
3%のプライスレスのためにミニバンを買うか、大きな悩みどころとなりました。
シエンタ vs フリード(コンパクトミニバン)
コンパクトミニバンは2車種しかありません。シエンタとフリードです。両方試乗をしてみました。
シエンタ
- 価格が安い
- 馬力は70
- シートがふかふかしている
- サードシートをセカンドシートの下に収納できる
- セカンドシートのシートベルトは車の側面にある
- バックテーブルは付けられない
- 初回から20万円の値引きをしてくれた
- 内装がオシャレ
フリード
- 価格が高い
- 馬力は110
- シートがかたい
- セカンドシートのシートベルトがシート一体型となっている
- バックテーブルが付けられる
- 自発的な値引きはない
- 内装は営業車に近い
シエンタはフリードと比較して価格が安いです。フリードの方が馬力があり、安全性能面でも優れているためと考えられます
シートの座り心地は圧倒的にシエンタでした。座った瞬間に差がわかります。他のミニバンと比較してもシエンタのシートは1番良かったです。ただし、布なので革に高級感を感じる方は注意してください。
シエンタのサードシートはセカンドシートの下に折りたためるので、トランク部分を広く活用できます。フリードのように跳ね上げではないので窓を隠すことはありません。
フリードのシートベルトはシート内蔵なので、チャイルドシートを乗せたままスライドさせることが可能です。シエンタはサイドに固定されたシートベルトなので同様の事はできません。
運転席と助手席の後ろにバックテーブルを付けたいと考えています。シエンタは取り付け不可、フリードはオプションにて取り付け可能でした。
ディーラーは甲乙つけがたいです。どちらもしっかりとした対応です。商談中にはお菓子と飲み物が提供されました。職場の方の紹介という点で、シエンタは初回値引き20万円でした。まだ伸び代はあると思います。
セレナ vs ステップワゴン vs エスクァイア(ミニバン)
ミニバンは3車種試乗してきました。セレナとステップワゴンとエスクァイアです。
セレナ
- 8人乗り
- シートアレンジが魅力的
- サードシート跳ね上げ後も窓を隠さない
- 価格が高い
- 大幅値引きをほのめかすが、具体的な数字を言わない
- シートのクッション性が良い
- ディーラーが営業向きではない
- 内装に高級感がある
- トランクが二段開閉
ステップワゴン
- 7人、8人乗りを選ぶ
- サードシートを跳ね上げると窓が隠れる
- 価格が安い
- 値引きは相談して欲しいとの事
- シート、内装が商業車っぽい
- マイナーチェンジ前なので値引きに期待ができる
- トランクが左右開閉できる
エスクァイア
- 7人、8人乗りを選ぶ
- サードシートを跳ね上げると窓が隠れる
- マイナーチェンジ直後で値引きがない
- おすすめグレードでは革のシートしかない(布がいい)
- シエンタにの時と比べ、ディーラーのやる気がない
- トランク扉は普通の扉
シートアレンジはセレナが1番良かったです。セレナ以外は7人、8人乗りを選ばなければなりません。
セレナはフロントからセカンドシートの中央に、可動式のシートが設置されています。それをフロントまでスライドさせれば7人乗り、セカンドシートまでスライドさせれば8人乗りとなります。
セカンドシートを2席にすれば中央に寄せる事も可能です。そうするとサードシートを跳ね上げ、セカンドシートを後ろまでスライドさせることができ、広い空間を作る事もできます。
※広い空間ではありますが、サードシートまではスライドできなかったので訂正します。
ただ、セレナのディーラーは他社のディーラーと雰囲気が違いました。元々は整備をやっており、会社の人事でディーラーになったとの事です。営業の心得がないし、押しも弱いのです。
大幅値引きをほのめかすのですが、具体的な金額は提示せず、濁すのでした。なかなか信用できませんでした。
価格についてはセレナが1番高かったです。しかし、その分の価値は感じることができました。
トヨタのディーラーはシエンタの時と比べ、明らかにやる気がなくなっていました。エスクァイアはマイナーチェンジ直後で値引きができない点と、シートアレンジ、シートの質、安全性能でセレナには勝てないと悟ったのでしょう。値引きも出来ないとハッキリと言っていました。
ステップワゴンは1番質が低いと感じました。内装、シートともに他2車種と比較すると安っぽく見えます。その分、価格は安く抑えられます。
新車 vs 中古車
新車
- 好きな装備を選べる
- 自分だけのオリジナルである
- いつでも購入できる
- 費用がかかる
中古車
- 購入にはタイミングが必要
- 欲しい装備がないと後付けになる(後付けできない事もある)
- ディーラーの質が低い
- 割安で購入できる
- 欲しい車種が県外にあったりする
やはり新車は気分がいいです。他の人が使用していませんし、自分の好きなようにカスタマイズできます。そして、最新の車を手に入れることができます。
中古車の魅力は価格です。我が家は試乗車や展示車を探していました。走行距離も1,000km以内で、ほぼ新車と同レベルです。新車の値引き次第ですが、50〜100万円は安く購入できます。
しかし、探すのがとても大変です。いいなと思った車が県外にあったり、欲しい装備が足りなかったりします。装備の後付けが可能か確認も必要です。
ディーラーも300万円を落とす価値があるかというと、なんとも言えない対応の方が多かったです。
中古車の1番のデメリットは、いつ売れてしまうかわからない点です。せっかく時間をかけて車の状態を把握しても『今朝売れました』なんて事がよくありました。
車種の決定
多くの車を試乗し、見積も出してもらいました。自分の納得するまで車を見比べ、ミニバンを購入することに決めました。
3%しかないプライスレスを優先させたのです。いくら理詰めしても、人間味のある部分というのは大切にしたいです。
車種はセレナにしました。シートアレンジが決め手でした。
値引き交渉
車種を決定したので、あとは新車で買うか、中古車で買うかの選択となります。新車だと300万円の予算は確実に超えてしまいますが、中古なら300万円くらいのものもあります。
本音を言えば新車が欲しいところです。そこで想定外の予算として60万円割り当てる事にしました。新車のセレナは430万円だったので、360万円までの価格調整が必要です。正直、交渉事は苦手です。しかし、頭金を払ったばかりでは、そうも言っていられません。
まずは下調べでネット検索すると、値引きに関するたくさんの情報が出てきました。
- 車両本体値引き
- ミニバン同士で競合
- セレナ同士で競合
- オプション値引き
- 印鑑をちらつかせて少額値引き
だいたいはこんな感じです。
しかし、びっくりするほどうまくいきませんでした。
セレナに関しては3回の商談をしましたが、全てこちらからのオファー。しかも2回目まで一切値引きしてもらえなかったのです。このディーラーは何なんだ?というのが正直な感想でした。
質のいいセレナが手に入ればいいやと若干投げやりになり、中古で買おうと決めました。一応、日産の新車ディーラーにその旨を伝えると、やっと営業らしい態度になりました。
トス屋
『中古のセレナGハイウェイスター323万円を、次の日曜に見に行く。中古の都合すぐに買うかも。』
ディーラー
『先に相談させてください!』
トス屋
『でも、予算は330万円だよ?だから新車ならXのVセレクションしか買えないかな。』
ディーラー
『なんとか調整してみます!』
やっと営業らしくなってきました。
現段階での新車見積もりは以下のとおりです。
- XVセレクション:410万円
- ハイウェイスターVセレクション:430万円
Xで交渉すると伝えましたが、ハイウェイスターに変更する作戦です。
ハイウェイスターを330万円で購入するのは無理だとわかっていましたが、中古車と競合させるためにあえて設定しました。着地点としては360万円を狙っています。
こちらの交渉材料は以下のとおりです。
- メンテプロパックのカット 13万円(中古にはないため)
- 納車、査定、下取りカット 3万円(下取りがないため)
- スターターカット 6万円(絶対条件ではないため)
- セーフティーB⇒A 13万円(プロパイロットは不要のため)
さぁ、最終交渉です。
トス屋
『やっぱりハイウェイスターが諦められないんだよね。それで見積もり調整して。』
ディーラー
『え、、Xとおっしゃっていたので、そちらで調整を考えていました。』
トス屋
『(カウンターパンチ効いたでしょ?)でも、そこを妥協した車に10年間乗るのは嫌でしょ。』
ディーラー
『そうですね。しかし、ハイウェイスターですと330万円にはどうやっても調整できません。』
トス屋
『明日、ハイウェイスター323万円の中古車を見に行くよ。頑張って調整して。』
ディーラー
『わ、わかりました。まずはオプションを見直しましょう。セーフティBを選択されてますが、Aに変更は可能でしょうか?』
トス屋
『(きたきた、想定内ですよ。)いいよ。プロパイロットはまだ信用しきれないし。それで13万円安くなるね。』
ディーラー
『続いて、メンテプロパックを一旦外させていただけますか?中古では見積に入っていませんので。』
トス屋
『(はい、それも想定内です。)いいですよ。確かに中古で買ったら別途掛かる費用ですからね。これも13万円だね。』
ディーラー
『ありがとうございます。あとはオプションのスターターは必須ですか?』
トス屋
『(はい、これも想定内。でも2回融通を聞いたから、そろそろたたみ掛けて見積もり確定させるかな。)これはあったほうがいいんだけどな。でも、お互いに譲歩しないとね。わかったよ。6万円安くなるね。これで合計32万円は安くなるよ。あとは下取りがないから、それに関連する費用も差し引いて。納車もカットでいいよ。見積もり作り直してもらえる?』
ディーラー
『わかりました。』
ディーラー
『総額395万円になりました。』
トス屋
『あと65万円の値引きで330万円だね。』
ディーラー
『そうなんですが、正直そこまでのお値引きはできないんです。ですが、今回はお母様からのご紹介なので、普段よりは値引きさせて頂きます。通常セレナは20万円程度の値引きですが、40万円値引きさせていただきます。最初から限界の値引きを提示させていただきます。355万円でなんとかなりませんか?』
トス屋『(お?想定外。かなりの値引きだな。目標の360万円を達成したぞ。でも、、結局このあとメンテプロパック13万円は必要だからな、、)そうですか、、新車なので中古と全く同じにしろとは言いません。でも355万円はキリが悪くないですか?350万円なら即決します。気持ちよく購入させてください。』
ディーラー『もう限界値引きなんです。これ以上は無理です。』
トス屋『(あんまり言いたくはないが。。)・・・そこをなんとか。』
ディーラー『・・・では、保険をうちの営業所に変更してもらえますか?』
トス屋『構いませんよ。』
ディーラー『店長と相談させてください。』
・・・
ディーラー『いま店長が部長に掛け合ってくれています。確証が欲しいのですが350万円なら本日契約していただけますか。』
トス屋『もちろんですよ。』
・・・
ディーラー『なんとか許可もらえました!350万円でお願い致します。』
トス屋『よく対応してくれました。これで気持ちよく購入できます。今後も宜しくお願いしますね。』
45万円の値引きを獲得しました。
考察
家を建てると色々な費用が付随して発生してきます。そして、正確に読みきれない部分が多いです。
今回は車の見積もりを300万円としていましたが、想定よりかなり高く350万円となりました。結局は削除したメンテプロパックも必要なので、13万円ほど上乗せになります。それでも45万円の値引きを提示してもらったので、ディーラーには頑張ってもらいました。感謝です。
そして、ネットの値引き術が全くあてにならないことがわかりました。
今回感じた事は『覚悟』を見せる事が重要な点です。この条件じゃなきゃ他で買うぞ!と、ハッキリ意思を示してから、ディーラーの様子が一変しました。
それとディーラーも人です。私のディーラーは整備からの人事移動だったので、営業らしくありません。値引きを小出しにする事もなく、交渉に応じることもなく、限界まで値引くとだけ言っていました。信用できなかったのですが、3回目の交渉で初めて提示した値引きが40万円でした。
年齢も若く、まだそこまでの余力はないはずです。本当に限界に近い値引きを提示してきたと思います。
結果、45万円まで値引き幅は増えましたが、このディーラーは駆け引きはしてきませんでした。初回交渉で買うと言えば同額の値引きを提示してきたと思います。
営業らしさがなく、素に近い対応だったのです。
トヨタ、ホンダにお礼とお断りのメールを送りましたが、返信すらありませんでした笑。しかし、これこそ真の営業でしょう。
結局はマニュアルではなく、人と人の付き合いなのだと勉強になりました。
車の購入、忘れずに資金計画に組み入れましょう。