統合失調症?躁病?連合弛緩?観念奔逸?

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ナースステーションで情報収集をしていたところ、廊下から大きな声が聞こえてくる。

何やら聞き覚えのある声だ。

様子を見にいくと、1人の患者さんがやたらめったら色々な人に話しかけていた。

そして、私と目が合ったり直後にターゲットを切り替えたようだ。

足早に駆け寄って話しかけてきた。

、、、会話として成り立つのは30%くらいか。

実は薬剤管理指導をしている患者さんである。明らかにいつもと様子が異なるのであった。

早速、主治医の元へ処方提案しに行くことにした。

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連合弛緩と観念奔逸

hatena

トス屋
◯◯さんの診察しましたか?
女医
ええ、すごい喋ってましたよ。
トス屋
少し前から不眠が続いてましたよね。
女医
そうですね。予兆だったのかしら。
トス屋
今の状態って連合弛緩ですか?観念奔逸ですか?
女医
まとまりに欠けるけど、思考が湧いてくるって感じでしたね。
トス屋
そうですよね。躁状態に近い感じがしました。
女医
はい、だから観念奔逸ですかね。
トス屋
アリピプラゾール増やしてみてはどうです?(現在21mg/日)
女医
とりあえず、バルプロ酸ナトリウムを増やしてみます。(現在400mg/日)
トス屋
この患者さんは不快には感じてなさそうですよ。むしろ爽快気分を伴っている感じです。
女医
アリピプラゾールはバルプロ酸ナトリウムがダメだったら考えますね。

エビデンス(根拠)

point

連合弛緩と観念奔逸は迷いやすい。というか、精神科の専門用語はわかりにくい。

大まかに分けると以下のような感じだ。

  • 連合弛緩:統合失調症らしい症状
  • 観念奔逸:躁病らしい症状

今回のケースは観念奔逸と考えられる。

診断は統合失調症だが、背景に双極性障害を併発していることはよくあることだ。

いわゆる統合失調感情障害である。

どんどん新しい考えが湧いてきて、前の話が完結していないのに次の話を始めてしまう。

一方的に話すので支離滅裂(連合弛緩の1つ)といいたくなるが、要所要所で話を止めると僅かながら返事をしてくれる。

支離滅裂ではそうはいかない。『明日はカーテンにご飯と布団を水筒』のように全く意味が繋がらない話をしてくる。

抗躁病薬は4種類ある。

  • リチウム
  • バルプロ酸ナトリウム
  • カルバマゼピン
  • ラモトリギン

最近では抗精神病薬のオランザピンアリピプラゾールも選択肢となる。

この患者さんはバルプロ酸ナトリウムとアリピプラゾールを服用中だったので、主治医はバルプロ酸ナトリウムの増量を選択した。

しかし、バルプロ酸ナトリウムが奏功しやすいのは不快躁病や混合躁病である。

さらに、2011年には抗躁効果を検討したメタ解析が発表された。

それによると抗精神病薬のリスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ハロペリドールがリチウムやバルプロ酸ナトリウムといった気分安定薬に比べて優れているという結果が示されていた。

つまり、躁状態に対してはバルプロ酸ナトリウムよりアリピプラゾールの方が効くというエビデンスが発表されているわけだ。

私はこれを引っさげて、アリピプラゾールの増量を提案したわけだ。

ただ、このメタ解析は設定期間が3週間だったので、単なる鎮静効果を評価している可能性もある。

まぁ、今回は私の提案が却下されたわけだ。バルプロ酸ナトリウムが効かないわけではないので素直に引き下がることにした。

参考文献:臨床精神薬理 Vol.16 No.1,2013;59-67

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トス屋 

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