【抗精神病薬とテグレトールの併用は最悪?】薬剤師が解説!

役に立ったらシェアしてね

当院の薬剤管理指導は1件につき1時間はかかる。

病棟に出向き情報収集をしてから、報告書を完成させるまでの時間だ。けっこう充実した内容を記録している。

8hr/日の全てを薬剤管理指導に費やしても、8件/日が限界となる。

実際には合間に別件がはいるので、数字通りにはいかない。6〜7件/日がいいところだ。

私は今15人の患者さんを担当しており、全てこなすには3日は確保したいところだ。

しかし、調剤担当の日もあり、その他の業務もあり、なかなか上手く消化できないのが現状だ。

不満かって?いや天国もいいところだ。

会社員時代の毎月のノルマと比べれば屁でもない。おまけに薬剤師としての追求に時間をかけても注意されることはない。

調べたければ好きなだけ調べていい環境なのだ。

病院薬剤師とは何て素晴らしい職業なのだ。。給料を除いて。

スポンサーリンク

バルプロ酸ナトリウムが使えないんだ

Interaction

医局長
精神運動興奮の患者さんを落ち着かせたいんだけど、気分安定だったら何がいい?
トス屋
短期間のバルプロ酸ナトリウムはどうです?
医局長
バルプロ酸ナトリウムは副作用が出て中止したんだ。
トス屋
それなら、ラモトリギンはどうです?
医局長
それは皮疹が怖いでしょ。死んだ人もいるって聞いたことがあるけど。
トス屋
バルプロ酸ナトリウムでも皮疹は注意が必要ですよ。
医局長
え?そうなの?まぁいいや。カルバマゼピンを使ってみようと思う。
トス屋
カルバマゼピンはやめた方がいいですよ。
医局長
何で?
トス屋
抗精神病薬を代謝して血中濃度が下がりますよ。
医局長
んー、でもあとはカルバマゼピンくらいしかないからなー。
トス屋
ラモトリギンがあるってゆーてるがな!
医局長
やっぱり、カルバマゼピンにしてみるよ!
トス屋
カルバマゼピンでも皮疹はあるので気をつけてください。

エビデンス(根拠)

point

統合失調症の薬物療法は原則として抗精神病薬の単剤療法だ。しかし、実臨床では上手くいかないことが多い。

そこで検討されるのが増強療法だ。

今回のカルバマゼピン(テグレトール)の追加も増強療法の1つといえる。

統合失調症に対するカルバマゼピンの増強療法に関する論文があるので紹介する。

283例を含む10のRCT試験の検討では、カルバマゼピン単剤とプラセボでは有意差がなかった

また、カルバマゼピンとペルフェナジンではBPRS20%改善率、30%改善率でもペルフェナジン投与群より優位に劣る結果であった。

さらに、カルバマゼピンの増強療法に関する8試験の結果はBPRSの改善などを指標としておらず、有効性の確認はできていない

これらをふまえると、カルバマゼピン単剤では統合失調症には効かず、ペルペナジンと比較ても効かず、有効性は不明ということである。

現時点ではカルバマゼピンを統合失調症の治療として単剤または併用する明確なエビデンスはない。

むしろ、相互作用が問題となる。

カルバマゼピンは様々な種類のシトクロムを誘導して、肝心の抗精神病薬を代謝してしまう。

抗精神病薬が効かなくなれば精神運動の興奮は良くならない。

だから、また別の薬を追加する。

まさに処方のカスケードに陥ってしまうわけだ。

統合失調症にテグレトールを見かけたらご用心。

参考文献

  • J Clin Psychiatry.2002 Mar;63(3):218-24.
  • 臨床精神薬理16:35-42,2013
  • 薬局2016 Vol67,No.12 137-141

portrait記事を書いた人

トス屋 

⇒プロフィール詳細

【抗精神病薬とテグレトールの併用は最悪?】薬剤師が解説!
この記事をお届けした
トス屋の最新情報を、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

役に立ったらシェアしてね

フォローする